快適なファミリー 引越

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高い出生率、移民人口の増加、「ジェネレーションY(米国で1990年代にティーンエージャーになった、ジェネレーションXより後の世代)」と呼ばれる若年の自動車運転世代の台頭など、自動車消費の潜在成長力は高く、長期的には2,000万台市場への成長が可能であると考えられます。
先に触れたマクロバランスに基づけば、保有台数が年平均2%で増加し続け、車両スクラップ率が5%程度で推移すれば、2010年ごろの新車市場は1,800万台規模に達するでしょう。
米国の新車需要は、長期的なトレントラインにほぼ沿ったレベルで推移していると考えられます。
新車需要は、2000年に循環的なピークを打った後、穏やかながら3年間連続で減衰局面を経験しました。
そして、04年から景気回復を映し、非常に穏やかな増加に転じましたが、米国メーカーの値引き圧力が数量の増大を生み出した脆弱な回復と見られてきました。
インフレ圧力と金利変動が災いし、ジェットコースターのような激しい上下変動を繰り返した過去の循環とは対照的に、2000年代に入ってからの景気後退期での新車需要はかつて見られなかった安定性を示しました。
同時多発テロ「9・11」以降の消費者心理悪化に対抗するために、米国自動車メーカーはさまざまな販売促進策を生み出し、「ゼロ金利販売」や「従業員価格割引」などの劇的効果を生み出すキャンペーンを展開しました。
また、住宅価格の上昇に裏付けられた信用拡大が買いやすさを一段と高めたようです。
これらの関係は、老朽車両の新車買い替え促進効果を生み出し、米国自動車保有構造の大幅な若返りに成功したのです。
現在、住宅市場の軟化や消費者心理の悪化など、米国経済はやや調整気味にあります。
JPモルガンの調査に基づけば、米国自動車需要は比較的安定的に推移し、トレントラインの1,680万台から、若干落ち込んだ水準で推移すると考えています。
世界の自動車業界に覇者として君臨し、「ビッグ3」と呼ばれてきた米国自動車メーカー(GM、フォード、ダイムラークライスラー)は、長期的な凋落傾向から抜け出せない状況が続いています。
1998年に旧クライスラーが独ダイムラー・ペンツ(当時)に買収された後は「ビッグ2」という表現に変わり、現在では規模ではなく、もともとの本社が位置していた地域から、「デトロイト3」と表現されるケースが増えてきました。
1990年代初頭に激しい経営悪化に見舞われた米国メーカーは、事業再構築の努力が奏功し、90年代後半に向け復権したかのように見えました。
一方、その当時は円高不況にあえぐ日本車メーカーは各分野で停滞局面にあったため、「日米再逆転論」が指摘された時代でした。
しかし、米国自動車メーカーの覇権は長期的に続かず、2000年代には再び暗く重い事業再構築の時代へ逆戻りしています。
人員削減と工場閉鎖のリストラ策を積み上げても、依然として浮上する気配は窺えません。
過去の買収戦略は、明らかに裏目に出ています。
1990年代後半、米国自動車メーカーは好調な北米事業から生じた潤沢なキャッシュフローを買収・提携などの戦略投資へ向けました。
欧州の高級ブランドからアジアの自動車メーカーに至るまで、手に入る自動車メーカーは根こそぎ買収するほどの貪欲な政策をとり続けたのです。
加えて、製造業からサービス業への業態変化にも大いに取り組みました。
衛星放送やインターネットなどのサービス事業に多くの資金を投下し続けたのです。
しかし、狙った買収シナジーや業態変化の効果は得られず、多くの戦略投資先は解消や売却する結果に終わり、多額の資金を無駄にしてしまいました。
手元資金を自社生産設備の更新や合理化に再投下し、将来技術に地道に投資を続けた日本車メーカーとは根本的な経営理念が違っていたのです。
レガシーコストとは、一般に、企業が負担する退職者の年金や医療保険などの福利厚生費用の総称です。
米国メーカーの退職年金・医療保険の費用は近年膨張し、多大な費用負担となっています。
レガシーコストは米国の社会制度上の問題です。
ただし、米国自動車メーカーの従業員のベネフィットは他業界と比較して破格に好条件で、過去の業績好調時に下した長期的視野に欠ける経営判断のつけを今になって支払う構図となっています。
また、何度もあった抜本改革の好機に、改革を先送りし続けた官僚的な企業文化のっけとも言えます。
一般的に、米国車はレガシーコスト負担が日本車と比較して1台当たり1,000ドル程度高いと分析されます。
単純にレガシーコストを日米メーカーの収益性の差異と結論づけることは安易だと筆者は考えます。
日本車メーカーは米国に数多くの新工場を立ち上げ続け、減価償却費、人員教育費、金利などレガシーとは全く反対の意味となる新しい多額の費用負担をしているからです。
米国自動車メーカーの苦戦の背景には、全米自動車労働組合(UAW : United Automobile Workers)との労使関係があることは間違いないでしょう。
UAWとの労働協約は、人的効率改善、人員配置などの柔軟性を奪っているようです。
また、人員削減に対する経済的コストは著しく高額であり、レイオフを実施してもしなくても、極論すれば、メーカーの被る費用に大きな差異はないとも言われます。
その結果、レイオフを避け、設備稼働率を高めることで固定費負担をカバーする「押し込み型」の経営行動に出やすいようです。
そのつけは、慢性的に高止まりする市場在庫となってきます。
対照的に、日本車メーカーの北米工場のほとんどは組合化されておらず、良好な労使関係を基に、柔軟性の高い経営選択ができるのです。
工場稼働率を優先すれば、販売は常に押し込み型の状況に置かれるわけで、高額な販売奨励金を多用し、流通在庫を押し出すことになります。
販売奨励金は消費者の信頼感を失わせ、残価価値(再販売価値)を希薄化させてしまいます。
さらに値引き率を高めなければ、車は売れなくなってしまいます。
この結果、米国車は販売価格デフレの負の連鎖に陥ってしまいました。
これは自動車という商品がいかに消費者との長期的関係のうえに成り立つ、「ハイタッチ」な商品であるかの証しでもあります。
手段を選ばず、短期的に市場シェアを防衛しても、その成果を永きにわたって維持することは難しいのです。
米国自動車メーカーが苦戦している最大の要因は商品戦略にあると思われます。
収益の構図は、ホーム市場である米国と伝統的なライト・トラック商品に偏っていました。
高収益な市場と商品に依存しすぎた結果、環境変化に対して非常に脆弱な企業体質になっているようです。
消費者の嗜好は10年単位で大きなパラダイムシフトが起こります。
また、近年の環境意識の高まりや、ガソリン価格高騰という外部要因の変動も予想できないスピードで起こります。
ハイブリッド、ディーゼルなどの技術は地道に投資を続ける必要があり、すぐに対応できるものではありません。
米国自動車メーカーが、現在施行中の事業再構築から高い成果を実現し、短・中期的に再び日本車メーカーの存在を脅かすというような脅威は比較的低いと考えています。
米国メーカーは縮小均衡を進め、持続的にシェアダウンが続く公算が高いと思われます。
基本的には、米国メーカーの凋落は続き、日本車・韓国車のアジアブランドの台頭が続くというトレントが、当面変わることはないでしょう。
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